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考える手法② [課題―読解]

いい本というのは、読むたびに新しい発見がある本だと思います。

子どもの頃から私は、赤毛のアンのシリーズを何度も読み返しています。
小学生の頃は、私と同じようにソバカスのあるアンに共感していました。
20代の頃は、教師という仕事に就いたアンに注目して読みました。
(私がこの仕事をしているのは、アンの影響もあるかも?)
今は、アンのご近所さん(おしゃべりまたは偏屈な、40歳をとうに超えたご婦人方)の生きる姿に
愛おしさを感じつつ読んでいます。

新しい発見がいつでもある、ということにおいては
『とっちゃまんの読書感想文書き方ドリル』もまさにそうです。
ブログで何をどう書くかを考えるために、「書き方ドリル」を開いたのですが
「あ、こんな言葉が・・・」と、ついついまた読み込んでしまって
ちっとも前に進みません。

これではいつまでたってもアップできないので、とにかく書いてみます。

この本には最初に、「感想文を書くために大事なこと」として、
いくつかのアドバイスが載せられています。
感想文は何のために書くのか、
どんな視点から書くとよいのか、
どんな流れ(つなぎ言葉)を使って展開するとよいのか、
などについて、いくつかの提案がなされています。
感想文だけでなく、意見文を書く際のヒントにもなります。

その後に、小学生の課題図書それぞれについて、読解のヒントが書かれています。
まずは本に対する宮川先生の読解例が示されます。
「こう見たら?」「こうも考えられるね」と、直接先生に語りかけられているような文体です。
内容は非常に具体的。
今の社会や自分の生活空間に引き込んで考えていきやすくなっています。

次にドリル形式の問いかけ。
子どもたちが考えを深めていけるよう、いくつかの問いが用意されています。
本には、自分の考えを書くための空欄が設けてありますが
問い自体がとても深いものなので、その空欄内には書ききれないでしょうね。
できれば、他の紙に書いてほしいなぁと思います。

さて今回は、記載順とは逆になりますが、ドリル形式の問いから
「考える手法」について、読み解いてみたいと思います。

教室の子たちとは、
118ページにある『ここがわたしのおうちです』に対する問いに取り組みました。
「家」は子どもたちにとって身近なものであり、あるのが当たり前のものです。
家についてなんの経験も持たない人はいないので、
まずはこれから始めました。

問いの1はこうです。
「きみは今の家で生まれたか。きみにとって家とは何か」

ここが、スタートです。
「家とは何か」。大事な問いです。
家は家、改めて考える余地なんてない。
そう思っていることこそ、考えるべきものです。
皆が共通の認識を持っていると信じているものは、実はそうではないのです。
まずはそれに気づくこと。
そして、当たり前だと思っていることを、言葉で定義づけてみること。
それが、考える一歩です。

・住むところ
・家族がいるところ
・たてもの
・うまれたところ
・寝るところ
・食べるところ

このようなことがまずは出てきます。
・・・足りませんね。全然足りない。
家族がいて、食べて寝るなら、ホテルでもいいでしょ?
じゃあ、ホテルが家になるの? 旅行したら、ホテルが家だよね。家って動くんだ。
そんなふうに聞いてみると、違うな、もう少し言わないと、という顔になります。

『家』というものが、何によって定義づけられるか、
この問いはいきなり『家』の根幹に触れるものです。

自分のコップが用意されているところ?
今までの思い出が残してあるところ?
秘密をかくしておけるところ?
「ただいま」と「おかえり」があるところ?
まわりを気にせずに泣けるところ?
ばか!って言っても、明日には仲直りできるところ?
明日を迎えるところ?
朝、同じ風景を見られるところ?
ゆっくりトイレでウンチができるところ?
おかあさんがいるところ?

家が何によって家といえるのか、そこを考えないと
「家」とは何かを知ることはできません。
家をどう定義づけるか、それがスタートです。
そのスタート地点は、人によって違っていいのです。
ですが、自分がいま、どこからどのように見ているのかを自覚しなければ、
他者にどう受け取られるかを考えて書くことはできません。

本のテーマとなっているものを、自分なりの言葉で定義づける。
それが考える最初にすることだと思います。

よって、教室の子たちには、「~とは何か?」と問うことを欠かしたことはありません。
まずは定義を考える。
それが「考える手法」において、最も大切なことです。

ちなみに、問いの2,3は
「逆の質問で、何があったらきみの家と言えるか」
「自分の部屋があるとすれば、なぜそれを自分の部屋だと言えるか」

となっています。
家の定義を深く追及する問いですね。
問1だけでは「決まりきった見方」で終わりやすいので
視点を逆転させて、あるいは限定して、問いが用意されています。
(この流れ、美しい!)

ああ、長くなってしまった。
続きは次回に。
なるだけ早めに書きます・・・。


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