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描写のレッスン・応用編/『運動会』 [課題―描写]

前々回に紹介した描写のレッスン、今週はその応用編だった。
運動会の様子をドラマ仕立てで書くのである。

これについては、2007/10/02の『熱血!運動会』に詳しく書いたので、今回は割愛。
ともかく、一競技に絞って、引き伸ばして引き伸ばして描く。
体の動き、顔、声、空、風、光、土、旗・・・、人も風景も細かなところにまで目をやり、描写する。
大事なシーンは、コマ送りの要領だ。 一メートル、いや一歩ごと見せるつもりで臨む。


皆が知っているはずのものなのに、誰も書かないものがある。
そういう言葉は、意識して書こうとしなければ生まれない。
自分が何を見たのか、何を聞いたのか、体に刻まれた記憶を呼び起こして紙上で再現する。

こだわってこそ、描けるものがある。 
言葉一つにこだわる姿勢をもつこと、ものを見る目を養うこと。
えんぴつを持つ前にこそ、描写力を高めるカギがある。

 

今年も、非常に熱い作品が多く生まれた。
いくつかはいずれHPで紹介するつもりだが、ここでも少しだけお見せしたい。

 

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『とげとげの体そう服、見なれた土の色、くつの中のあせ、二千度オーバーかもしれないくらい熱い地面。頭に浮かぶアイス。五感がしょうがい物の入場をえん出する。』 (小4男子)

 

『体に、となりの人の手や体がぶつかる。ぼう引きは最初が肝心。スタートがおくれたらまるで、おかしの争だつ戦におくれてしまった人みたいになる。だから、手や体が当たっても体を引いたりしない。赤団の勝って
「イェーイ、オゥー!ヤッター!」
という声に暗い顔をして、小さく音のしない拍手をするのは、いやだからだ。』 (小5女子)

 

『ぼくはスタート地点に立った。ぼくは前しか見えなかった。前には一位のゴールテープが見えた。まっすぐよこに見えた。』 (小2男子)

 

『直線に入った。今ぼくは五位だ。もう一位はぬけない!一位は無理だ!でもせめて一人はぬくぞ!前のやつのせ中がどんどんさがっていく。オラァー!ゴールが一メートル、一メートルとせまってくる。ゴールまであと五十センチ。前のやつをぬいた!ぼくはよしっ!と思った。』 (小5男子)

 

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これまでにない書き方で場面を見せてくれた人がいた。
躍動する体を、心を、感じさせてくれた。

 


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