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言葉の質を高める [子どもの言葉を変える魔法]

本をあまり読まないお子さんの場合、言葉の習得は主に耳でなされます。
なんだかウチの子ども、語彙が少ないなぁ・・・と思われたら、
「耳」から入る言葉の質を高めてみるとよいかもしれません。

教室では、「うれしい」「楽しい」などの
気持ちを集約させる言葉だけで文を終わらないようにと、子どもたちに言っています。
それを、普段のお子さんへの言葉がけにも用いてみてください。

もし、今日が気持ちのよい日だったのなら
「気持ちよかったね」だけで終わらず、「気持ちよさ」を感じさせた“何か”をつけてみます。
「空がすっごく上の方まで青く見えて、空にも深さがあるんだなぁと思った」とか
「ベランダのゴーヤの葉が風で揺れて、さわさわいってた。なんだか内緒話をしてるみたいだった」とか。

目に映ったものをそのまま、
耳に響いた音をそのまま、
肌に感じた冷たさを(柔らかさを・痛さを)そのまま、
言葉にしてみます。

できるだけ、細かな感覚を思い出してみるとよいと思います。
細かなものは、「言うに及ばず」と捨てられやすいのですが
実はそういうもので表現したほうが、ハッとすることが多いのです。


先週、教室では、運動会のひとコマをドラマ仕立てで書きました。

他のクラスで書かれた臨場感たっぷりの作文を紹介しますと
子ども達は「なるほど、こういうレベルで言葉を選べばよいのか」とピンときます。
あれこれ説明するより、質の高い言葉を聞かせるだけで
子ども達は同調できるのです。

ですから、先週の作文はどれも名作ぞろい。
運動会ってこんなに魅力的だったっけ? と思わされました。


子どもは、周囲で使われる言葉に合わせて、自分の言葉を選びます。
表現を豊かに、と願うのなら、
まずは周囲の大人が、表現豊かに語ってみせるのが一番です。

もちろん、「全ての言葉を描写たっぷりに」なんて
不可能な上にくどくて逆効果ですから、
思いついたときにやってみるくらいでいいのです。
日に一度か二度、自分の目に(耳に・鼻に)とまったことを
ちょっとだけ言葉を選んで表現してみる。
時間はかかりますが、発しているほうにも、受け取るほうにも
そのうち変化が生まれるはずです。


ちなみに私は、意見文を書く際には、わざと漢字熟語を多用して話します。
知らないだろうなと思う言葉も、どんどん使います。
漢字熟語が作り出すリズム、シャープさ、
言葉で説明したところで伝わりにくいことは実際に用いてみせて、
体に染みこませていくのが遠くて早い道なのでは、と思っています。

まずは自分から。

毎日の積み重ねが実となります。


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