子どもを変える魔法の言葉② 「いろ・かたち・うごき」 [子どもの言葉を変える魔法]
お子さんの言葉を豊かにするための魔法、その2。
「いろ・かたち・うごき」の言葉を耳に入れる。
子どもが言葉を習得する手段は目(読む)でもありますが、多くは耳(聞く)です。
ですから、子どもが耳にする言葉の質を変えます。
つまりは、周囲の大人が用いる言葉の質を変えます。
たとえば・・・、今日降った雨をどう伝えましょうか?
考えてみてください。
冷たい? ポツポツ? ザーザー?
いやいや、もっと!
傘をささなくてもいいくらいの雨?
車のワイパーを間欠にすればいいくらい?
う~ん、もう少し、「見せる」ようにしてみましょうか。
駐車場のいつものくぼみに、水たまりができるくらいの雨?
それをよけて歩いたら、コートの袖についた水滴が、ころんと滑るのを見た?
吐く息は? 白くならないまま、すっと消えた?
別に抒情的な表現でなくていいのです。
ほんの少し、色や形や手触りや動きを感じさせる言葉で
ものを言うようにします。
一日に、一回でもいいのです。
家庭での会話全てを変えようと思ったら
お母さんが疲れてしまいますから、
一、二回、ちょっとだけ色を足して、形をつけて、動きを入れて
「自分が見た何か」を話すようにしてみます。
「あのレジの男の人の眉毛、すごかったね。
ぎゅむ、ぎゅむって上に動いてたね」
「今日の空、すごかったよ。車のフロントガラスから見た空、ぜんぶ水色で
どこも青が欠けてなかったよ。白が一つもなかった!」
人は、相手が使う言葉に呼応して自分の言葉を選びます。
受け手の言葉の質に合わせて自然に言葉を選びます。
「ああ、こういう言葉で話すんだ」
と感じれば、それと同じような質の言葉で
今日のことを話すようになります。
そして、「私が見た空はちがう、こうだった」と
違いを見せるために、同じように色や形や手触りで伝えようとします。
ですがこれは、「絶対にしなくてはならないこと」ではありません。
「してみたら、何か変わるかもしれない呪文」です。
色と形と手触りと動き。
それが入った声を、一日に一度でいいから、口から発してみる。
それが、お子さんの言葉の質をじわじわと変えていくことになりますし
たぶん、それを心がける大人の方ご自身も、
見る目と表現が磨かれます。
私はそうやって、子どもたちに言葉を磨いてもらいました。
子どもたちの前にいるときの私が一番、自由にものを表現している気がします。
受け手がなんでも(とっぴょうしもない表現でも)楽しんでくれるので
ものすご~く、アタマが柔らかくなりました。
言葉は、呼応するのです。
かっこわるいとか正しくないとか考えずに
お好きなように、色と形と手触りと動きを入れて話してみてください。
お子さんは「正しさ」なんて気にしないで、
きっと受け止めてくれます。
家族の呼応力は、桁外れなんですから!
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