『言語力』 [作文のチカラ]
NHKの『追跡!AtoZ』という番組で「言語力」が取り上げられていました。
前半をうっかり見逃してしまって悔しい思いでいます。
ゲストのアートディレクターの佐藤可士和さんの言葉や、
ドイツの言語教育の様子を見たり聞いたりしているうちに
「ああ、そうなのだ、これは本当に重要なことなのだ」と
ぐらぐらするほどの思いにとらわれたからです。
多角的に見る、意見をスピーディに構築して述べるなどのトレーニングは
「トレーニング」ですから、それだけ、その場だけ、できることを目標としてはいけません。
しかし、そのトレーニングを通じて
「自分は考えられるし、言うこともできる」という自信がつくことは
その人が社会を生きぬく力となります。
佐藤さんは「言語力を磨くために心がけていること」として
「自問自答すること」を挙げていらっしゃいました。
私も子供たちに、自分が抱いた考えに対して、
それはなぜか、どういうことか、そう思うのが何に繋がるのかと
自分に何度も問いかけることを奨励しています。
深く掘り下げ明確につかむことができなければ、
「伝えたいこと=柱」のある文章は書けません。
番組を見終わった後、
もっと働きかけを磨きたい、もっと子ども達の力になれる場にしていきたい、
そう強く思いました。
とはいえ、自分の教室が「こういうときは、こう言えばいい」というような
テクニックを身につけさせる場になるのは嫌です。
言葉の意味と働きを知り、考えを深める力を自ら磨き、
「言葉」を使って他者とつながりあうことのできる人。
そういう人になるための種まきをしたいのです。
「言葉」は、人と繋がりあうことのできる手段であり、武器です。
重みのない言葉がメールで飛び交う今だからこそ、
情報のつまみ食いで「わかったつもり」になりやすい今だからこそ、
「受け手」の立場にばかりいて、主体的に働きかける場が少ない今だからこそ、
「書く・考える」作文に取り組むことが必要なのだと私は思います。
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