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年度末恒例、10分作文 [課題―テーマ作文]

年度末恒例の課題に「10分作文」があります。
いつもは「作文は、量でもスピードでもなく、質!」が合言葉の教室ですが
今回だけは違います。
質を保ったままで、量とスピードに挑みます。

1コマで挑むのは3回。
人と量を競うのではなく、前の回の自分を超えるのを目指します。
多少字がいがんでも、話がずれていっても気にしません!
とにかく、まとめないで、展開してつないで、どんどん書き広げます。

今年度も一年間、書き続けてきた人たちです。
どんなに焦って書いても、質は保たれます。
悩んでいる暇はないので、いつもより思い切った言葉が飛び出てきて
「あれ、こんな文章を書くんだ?」と驚かされることもあります。

今週、皆、挑みました!
書きなれていない人は、10分で1枚を超えるのは難しいのですが
小学生のパワーたるや、すごいすごい!
一心不乱に書き綴って、1枚を軽く超えていきます。

しかも、急いでいるのに(しかも私が「1分経過!」なんて焦らせるのに)、
描写の力を用いて場面を豊かに見せた人、
組み立てを瞬時に考えて、場の描写→出来事のいきさつ→人の描写→場の描写、と
完成された文章を書いた人、
「~とは・・・」と、語の本質に迫ろうと哲学した人、
いやはや、読み応えのある文章ばかりでした。

中学生には、「論説文の組み立て」について話をしたときに伝えたこと、
『定義づけ→緩めて説明→引き締めて置き換え』の技法を使ってみたら、と促しましたら
「~は・・・である」を切り口に、
「たとえば・・・」「もしも・・・」で展開、
「だから」「つまり」で引き締め、置き換え、
「だが」「しかし」で視点替え、
・・・と、うまく接続詞を用いて展開に励みました。

結論を決めずに、考えの流れそのものを書けばいいのです。
考えのプロセスを刻んでいくのも、大切な「書く」の顔です。
そう働きかけたら、今まであまり論理的な展開を得意としていなかった人が
驚くような飛躍をみせてくれました。

でも、一番心に残ったのは、小2男子の「風」の作文。
その日、岐阜では強い風が吹いていました。

「風がほっぺ中心にねらってふいてくるから、ほっぺが赤くなってしまった」
「教室のカーテンが風でぼくのほうに1mのびた」
「窓をしめたらバンッっと音がして、耳がダメになってしまった」
「くもがすごくはやくながれるから、今日ははやく日がくれるなあ、と思った」

・・・ということを書いていました。
「正しい」ことを言うなら、風はほっぺ中心には吹かないし
カーテンはのびたりしないし
雲が速く流れたって、日は早く暮れない、
でも、その感覚が素晴らしい。「正しい」ことを書くのが表現ではありませんものね。
思い切って書いているから、そのまんまの感覚が生きてきます。

10分作文に挑む間、
だれもあきらめない、だれも顔を上げない、
とにかく紙の上で語り続ける彼らの姿を見ていると、
今年も一年、いっしょに励んできたなぁと、
深く感慨に包まれました。

10分作文は、宮川俊彦先生の課題です。
本が出ています。
作文指導の考え方も載っていて、おすすめの本です。

家庭でできる10分作文

家庭でできる10分作文

  • 作者: 宮川 俊彦
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2005/08
  • メディア: 単行本



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