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感想文の本選び・・・絵本がおすすめ! [課題―感想文]

今日から7月! 
一年の後半は雨で始まりましたが、気持ちは晴れ晴れと!で、いきたいと思います。

さて、夏休みも間近となってきました。
読書感想文が宿題となっている学校、まだ多くあります。
「文字を読むのが苦手だけど、どんな本を選んだらよいですか」と度々聞かれます。
その時によくお話ししていることを今日は書きます。

読むのが苦手(と思っている人)が、長いお話を読んでさらに感想文まで書く!
というのは、なかなかの苦行です。
2つも大きなハードルを飛び越えねばなりませんものね。
ですので、深い内容の感想文(つまりはよく考えて文章を書く)ことを望むなら、
本自体は短いもの、でも「なぜ?」を考える余地を多く持っているものを選ぶとよいと思います。
たとえば、長く読み継がれている「絵本」ですとか。

絵本といっても、「かんたん」なものばかりではないですよ!
宮澤賢治の短編は絵本になっていますし(「セロひきのゴーシュとか注文の多い料理店」とか)
感想文に向いている短編といえば、私は芥川龍之介が好きですが、
「くもの糸」も絵本になっています。
ですから、絵本だからかんたんすぎる、などと思わないで
何年も読み継がれている名作を、何度も読み返して
「なぜなんだろう」「ぼくならどうするだろう」「人って・・・なのだろうか」
と考えをめぐらすことをしてみてほしいのです。

たとえば、「スーホの白い馬」。
絵も本文も見事ですね。だいすきです。
感想を、となると「白馬がかわいそう」となってしまいそうですが
「かわいそう」なんて一言では終えられないものを語ろうとしてほしいのです。

そのためには、調査です。
ネットで調べればたくさんの情報が得られるのですから、
現代の感想文には、「調査」をぜひ組み入れてみてください。

モンゴルってどんな国?
モンゴルの草原ってどんなふう? スーホたちはどんな風景を見ているの?
草原のけいばってどんなふう? こどもでも出られるってどんなの?
馬ってどんな生き物だろう。どのくらい大きい? 本当に人と気持ちが通じる?
(実物を見れたらいいですね。ポニーだけでなく、サラブレットくらい大きいものも)
馬頭琴ってどんな音色? モンゴルの人の歌声ってどんなふう?
(これも実際に聞いてみてほしい!)

日本とはちがう世界をきちんとのぞいて、
草原の広さや空の色や人々の息遣いをちゃんとイメージしたうえで、
この話を読み返してみると、違った風景が見えてくるに違いありません。

白馬をうばわれたスーホはどんな思いでいたか。
白馬はけっきょく死んでしまって、スーホは王さまをうらまなかったか。
人をうらんでふくしゅうすることに心をうばわれずに、なぜスーホは生きられたか。
スーホの声や音色はなにをふくんでいるのか。

生きるや死ぬが、草原ではどのようにあるのかを肌で知ったうえで
スーホの生き方について考えてみるといいと思います。
そして、今の日本で生きるわたし(たち)の生き方にも目を向けてみるといいですね。

高学年なら、この「王」という存在に一石を投じてみるのもいいと思います。
権力者が武力で自分の好きなようにふるまうことについて。
みかけや身分で差別が生まれることについて。
国と民との生き方の違いについて。
では今の日本では、こんなことはおきないのか? について。
スーホは「どうせかたきうちはできないから」と考えてふくしゅうをあきらめたのではない。
彼がえらんだ「馬頭琴」とともにある生。音色にはどんな力があるのだろう・・・について。

やさしい言葉で書かれたものは、低学年がよむもの、ではないのです。
長く語り継がれる本には、この世界の在り方が凝縮されています。
そのときの年齢に応じて、読む深度は変わっていくはず。
ぜひぜひ、おかあさんおとうさんが子どもの時に読んだもので、
今も図書館の本棚にあって、
今読んでも心を打たれるものを、お子さんと一緒に楽しまれるとよいと思います。

といいつつ、やっぱり今年は長いものを読んでもらいたい!
という場合は・・・、は、次回。

そうそう、夏季講座ですが、お申込みはひと山越えて今は落ち着いた状態です。
まだ空きはあります、ぜひご参加を!
「深く考える」ための手助けをしますよ! お待ちしております!!


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