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読みやすい文章にするための「直し」② [作文の読み方・返し方]

お待たせしました、
小学生・中学生に見られる「書き方の癖」その②です。

2)文末によく見られるもの

・Aさんが「  」と言った。の繰り返し

ほとんどの子がやることです。
誰々が「~」と言った。 これ以外のパターンを知りません。
本をよく読む子でも、この癖は多く見られます。アドバイスとしては、以下の2つが代表的なものです。

①『言った』を、「どう言ったか」がわかる動詞に置き換える。
→つぶやく・ささやく・どなる・わめく・さけぶ等の動詞です。これらの言葉を用いると、人の動きも声の強さも、感情も感じられます。
こうアドバイスすると、「さみしそうに言った」「うれしそうに言った」とする人がいます・
しかし、「さみしそう/うれしそう」と、気持ちを直接的に伝える言葉を連発すると、結局「言った」ばかりで単調になりますし、「人の様子」が見えるわけではないので、「さけぶ・悲鳴を上げる」などの動きが見える単語を選ぶようにと伝えます。

②「セリフ」の後に、人の動作を入れる
→「ああ、それがいい!」と大きくうなずいた、とか、
「じゃあ、始めるか」Aはゆっくりと腰を上げた。とか、
「言う」こと以外でも「」の後は続けられるので、それを紹介します。
言葉が発せられたときの動作を具体的に聞き出し、『こう書けるよね』と例文を作って確認します。

文末が同じものになる、というのは他の動詞でもあります。
~と思いました。
~とわかりました。
~からです。

文章の最後に多いのは、
~にしていきたいです。
~してほしいと思います。
~が大事だとわかりました。

これらばかりが出てくるのは、他の動詞を知っていても「アクティブ」な状態になっていないからです。
そこで、どんな終わり方があるか、例として口頭でいくつも出します。
(例は複数出しています。しかも書きたい状況に合わない例も入れます。ぴったりのものを一つだけいうと、考えずにそのまま使ってしまうので、わざと複数出します)

普段とは違う終わり方を試したときは、ほめて効果を伝えます。
同様に、文章の出だしについても、同じような働きかけをします。
「ぼくは/わたしは」から始まることが多いので、「そうではない始まり」をいくつも紹介し、「やってみて!」と促します。研究室の作文は「挑戦の作文」「実験の作文」だからね、といつも伝えます。
出だしを試したときは、即座に花マル。
この花マルが、書き手の勇気になります。


・気持ちの言葉の多用

「たのしそうに」「どきどきした」「悲しくなった」など
気持ちを直接表すこれらの言葉を、文の終わりに常に入れる人もいます。
研究室では、「うれしそう」とは書かず、「うれしそう」とわかる表情、足の運びや手の動き、声の調子と言葉などで表すことを常に働きかけていますから、あまりに続く場合は、それを思い出してもらい、気持ちを「人・物・背景」で表すよう変えてもらいます。



・過去形「た」

場面を書くとき、「歩いた」「動かした」など、文末が過去形ばかりになります。
たしかに、経験したことを書く場合は、「終わったこと」なのですから、過去形にするのは当然ではあります。
しかし、「た」ばかり続くと、やはりリズムが単調になりますし、起きている出来事と読み手との間に、距離が生まれてしまいます。
そこで、その場面をリアルに感じさせたい場合は、「歩いた」ではなく「歩く」、「動かした」ではなく「動かす」と、現在形で書くよう促します。
「今、まさにここで起きていること」として描くのです。
読み手も「その出来事を目撃している」感覚で、読み進めることができます。


・「~していた(いる)」の多用

「~していた」を使う人は、とにかく何度も使います。
動作がある程度以上続いていることを伝えたいのでしょうが、何度も使うとくどくなります。
その動作が「続いている」ことを、どうしても強調したいときだけ使おう、と言って、使う時を厳選してもらいます。

・「~のだ/なのだ」の多用

最近はこの文末を使う人が少なくなりましたが、たまに見られます。これも「印象付けたいとき」だけ用いると効果的であることを伝え、使う時を選んでもらいます。


次回、続き。

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