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本科でやること ④国語の攻略 [教室案内]

中学生主体の本科クラスでは、
生徒が希望するので、国語の問題を用いた指導もしています。

ただ、研究室では、
学習塾で行うような、問題を解く→答え合わせ→解説→別の問題に取り組む
ようなやり方はしていません。
そのやり方では、国語の力は(この場合は点数、という意味ですが)
決して伸びないからです。
ですから、全く違うやり方で実施しています。

何度もお伝えしているように、研究室では点数を上げることを主にしていません。
よって国語の問題を行うときも、

・文章から多くの情報を読み取る力をつける(一読で)
・プロの技を自分の文章に生かす

ために行うのだ、と皆には伝えます。

さて、肝心の指導方法ですが、
まず、本文の最初の3行程度の中から(その先は決して読まないで)、
小説文の場合は、登場人物の年齢・立場・性格・状況等や、
舞台となる場所と時代はどうであるかを皆に捉えてもらうことから始めます。
論説文の場合は、主題は何か、これからどう展開されそうか、
文章のカギとなる言葉はどれか、などを見つけてもらいます。
問題は解かせません。
(塾に行っている人はすぐに解こうとし始めるので、
本文の3行目以降を隠してもらうこともあります)

捉えたことは「かもしれない」でもいいのですが、
必ず考えの根拠となる言葉を、文中から採らねばならない、としています。
根拠を持って読み取りをする、これを徹底します。
それが現代の日本の国語の問題においては、
正答を作るために必要な姿勢なのです。
(私は、今の国語の問題は本当の意味での読解力を量ってはいない、と思います。
限られた文章中にある情報の収集と提示能力を見ているものだと考えています)

上のことに続けて、
問いの文から細かく指示を読み取ることや、
正答例と解答の分析などをしていきますが、
ここで説明しても「さっぱりわからん」と思います。
ので、書きません。(すみません、本科に来て!)

おもしろいのは、年に数回程度しかこの指導をしないのに、
国語の成績がちゃんと伸びる人が多い、ということです。
作文というのは、国語の問題を解くことより
ずっとずっと難しく、多くの能力を必要とするものです。
作文や名作読解に挑んでいるうちに、
「見えない意図を読み取る」「受け手に応じた書き方をする」のが
当たり前になっていくのでしょう、
国語の問題を解くのはその活用で(応用ではない)できるようです。
逆に、「国語の指導がメイン・作文は月1回」のクラスを
1年間だけ作ってみたことがありますが
効果はさほど上がりませんでした。
国語の問題を解くだけでは、
明示されていない指示や文脈を捉える力が育ちにくいのだと考えています。

ですから、「国語の指導だけしてください」という依頼については
お断りしています。
それだけやっても、いただいた受講料の分、
力を伸ばすことができないからです。

国語なんて、本当はかんたんなんですよ。
あ、今の日本の国語の問題、という意味ですけれどね。
出題者の求めに応じて答えてあげれば、マルになります。
しかも、出題者は答えが一つになるよう、文中に根拠を必ず作っています。
答えは一つではない、根拠もなかなか見つからない、という
「文章を書く」ことよりうんとかんたんです。

だから、本当は、
文章を書いてもらえば、その人の「かしこさ」は一目瞭然。
・・・、こわいですね。私も今、文章書いていますものね。
いやはや。やばい、ね。

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