SSブログ

読みやすい文章にするための「直し」① [作文の読み方・返し方]

気が向いたら書こう、ではいけないだろうから、
いったんちゃんと書いておこうと思います。
小学生・中学生に見られる「書き方の癖」です。

直したほうがいいところを伝えるときには、
なぜそれを直さねばならないのか、を必ず伝えます。
私がそばにいないときに、「直った」状態で再現できなければ
意味がないからです。

なぜ直すのか、
どう直すのか、
省かずきちんと伝えます。
同じ間違いを何度も繰り返しても、
「さっき言ったでしょ、なんでまたやるの!」
とは、決して言いません。

いや、「ふふん、これ前にも言ったよね」くらいは言っちゃうかな。
でも「なんでまたやるの!」は言わないようにしています。
だって、そんなに簡単に癖を治せないのは知ってますから。
一生懸命考えて書いているうちに、つい忘れてしまうのは当たり前。
内容深めて言葉選んで見やすいように字を書いて・・・、
「書く」の中には「気をつけねばならないこと」がたーーくさんあります。
それに、指摘する癖は、ほとんどのお子さんが必ず「やってしまう」ものが多いので
何度も伝えなければ定着しないと、覚悟を決めて臨むほかありません。

よって!
これから伝える「直した方がいいこと」は、
「絶対に子どもに直させなければならないこと」ではありません。
ご家庭でお子さんの文章をご覧になる時の参考にしていただいて全くかまいませんが、
「いつも・全部を・絶対に」直させようと思うと、キツイですよ。
親さんのほうも、お子さんの方も、です。
「なんで!」とか「また!」とかが口から飛び出てきちゃうくらいなら、
直させようとされないほうが、いいです。
その方が、お子さんも作文嫌いにならなくてすみます。

では!
たくさんあるので、分けて書きます。

1)文頭によく見られるもの
・「そして」「そうして」「すると」などを文の頭に何文も連続してつける
 →「そして」などの順接は省いても文がつながるのでトル。
教室では「そしてそして病」と呼んでいます。「そして」は心の中で言って、その続きを書いてね、と言います。実際に「そして」を抜いて文章を読み上げ、流れがスムーズであることを確認してもらいます。「そして」が続くと、文が単調になる、くどくなる、子どもっぽい印象になるのでやめたほうがいい、と理由も伝えます。
なお、「そして」とつけると、間が生まれます。前の文のことから少し時間がたったのを表したいときや、ゆったりとした流れを感じさせたいときに使うと効果的です。これも中学生には伝えます。

・「それ」「その」「そういった」などの指示語系列のものを多用する
 中学生によく見られます。ほとんどすべての文に入り込んでいるときがあるので、「それ・その」が指し示しているものを明らかにして書くよう求めます。「それ・その」が多いと、何を指しているかわかりにくくなること、文章を理解するために「それってなんだっけ?」といちいち確認しないといけないようなものは、読み手がうんざりする(=読もうとしなくなる)こと、誤解のない明瞭な文章は、「それ・その」を多用せず、語を明示したものが多いことを理由として伝えます(ちなみに私の文章は、「それ・その」の多用の癖、強くあります。自覚しています)。
また、この手法を用いると少し装飾的な印象を与えられるので、強調したいときや感情を乗せたいときなど、選んで使うといいことも伝えます。

・主語の欠落
 基本的に主語がないと、直前の文の主語がそのまま引き継がれます。主語が「私」から「友達」に変わっているのにそれを書き入れないと、能動と受動がおかしなことになります。それを伝え、文の主語が誰(何)かを確認した上で、主語を入れたり述語を整えたりします。

・主述の非対応
 主に一文が長くなった時に起こります。主語と述語のみを抜き出し、対応していないことを確認し、どう直すかを選んでもらいます。長い文は「~して、~しながら、~したときに」などでつながっていますから、文を「。」で区切るよう促します。その後、単文で述べていくとわかりやすくなることを確認します。

・行替えがない
 行をかえるタイミングを意識していないことで起こります。私は、「新しい人(物)が登場したとき・場所がかわったとき・時間がかわったとき」は行替え、と言っています。教室では「人・時・場所」が場面を作る、といつも言っていますしね。更にもう一つ、「ここ、注目!!」と目立たせたいときにも行替えするよう言います。行替えは「人・時・場所・目立たせたいところ」が合言葉です。

ああ、疲れてきた。
読むほうも疲れますよね。
いったん切ります。

ところで、こういった「直し」は、本制作のときは付箋に書いて原稿に貼っておきます。
物語を下書きして清書できればいいのですが、
時間的に難しいので、原稿はそのまま製本します。
赤で書き入れることはできないので、付箋で伝えます。

子どもたちは、付箋のついたところを確認し、自分で直します。
直したら、付箋は捨てます。
ですが一人、私が何も言わないのに
自分の「直すべき癖」について書かれた付箋をとっておき、
原稿用紙の上部に貼り付けて文章を書いている人がいました。
常に目に入るようにして、同じ間違いを繰り返さないように、と考えたようです。
長くやってきましたけど、自分からこんな工夫をする人はいなかったので、驚きました。
ちょっとうれしい驚きでした。
伝えたことを生かそうとしてくれる人が、生徒の中にいるなんて、
幸せなことです。


nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:学問

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。