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3月の大人文章講座は、描写課題でした [大人向け講座]

大人向け文章講座を、
2月から毎月第3木曜夜に設けることにしました。
 
先週は2回目。
お仕事が終わった後においでいただくのですから、
できるだけ楽しく!
これまでとは違った観点から!
そして、次回までの間に心がけてもらえることを!
と思って、講座を行いました。
 
 
ご参加の皆さんは、
ご自身の言葉のありかたを
もう少し変えてみたい、
もう少し伝わる工夫をしてみたい、
そんなふうに考えておいでのようでした。
ですから、
「言葉を選ぶ際に意識するとよいこと」をお伝えしようと
五感を用いて表現する課題を行いました。
つまりは、描写課題です。
 
2月は「寒い・冷たい」という言葉を使わずに
その日の「寒さ・冷たさ」を描く課題を行いました。
今月は、「今見た場面を言葉で表す」課題です。
*以前の記事で紹介しています。
 
 
大人と子どもの表現の違いの一つに、
大人は概略をとらえて表すのが得意で、
子どもは細かな部分をとらえるのが得意、というものがあります。
精神面での発達がこの違いを生むのでしょうね。
しかし描写の課題においては、
概略を伝えるだけでは「場面が見えるよう」にはならないので
大人のほうが四苦八苦します。
 
「ペンが落ちた」と表した後で、
「どんなふうに?」と尋ねますと
「いきおいよく」「すとんと」「落ちてはねた」とは出ますが、
「見える」ように「どんな」を細かく言うことを求めると、
不思議なことに「他に何を言えばいいの?」と困ったふうになります。
 
子どもたちなら、
「机の端からキャップの方を下にして」
「釣りのうきが水に沈むようにまっすぐ落ちる」
「床に落ちるとカツーンという音が部屋に響く」
「机の脚の半分くらいの高さまで跳ね」
「くるりと大きく1回転」
「また赤いキャップのほうが下に向いて」
とかなんとか、とにかく「見たまま」を言い表そうと、
言葉を足して足して、足していきます。
初めはおおざっぱでも、こちらが「それではわからない」と言うと
まだるっこしくなりはしますが、言おう言おうとします。
 
大人は、伝えるべきことが「大きくとらえた情報」であるのがほとんどです。
実際は「細かな姿」にも情報の価値が大きくあるのを知っていても
時間短縮のため、あるいは概略だけで十分とされているため、
「細かくとらえて言語化する」機会が減っています。
 
でも、もちろん本当は事象を細かくとらえる力はあります。
五感を用いてとらえているから
「いきおいよく」も「すとんと」も出てくるのです。
「いきおいのよさ」は、何のどんな様子から感じられたのか、
その姿を言葉で表すならどの言葉がよさそうか、
変になってもいいので、表してみてほしいと求めました。
 
細かに伝える機会が少ないのなら、
・五感を用いてとらえる
・言葉に置き換える(比喩などは用いないで)
機会をわざと設けて試してみれば、仮眠中の力が目覚めます。
 
 
大人相手でも、
いつも通り私は道化になってやります(それしかできない)。
それを呆れもせず、皆さん大きく笑って、どんどん試してくれました。
お帰りの際の「楽しかったー」のお言葉に、私はもちろん気をよくして(単純なので)
来月は何をしようかなと、ワクワクしています。
 
 
言葉を丁寧に扱うということは、
場を尊重し、
ヒトやモノの形を通した本質を見つめ、
今しか言えないことを人の心に残しておくことだと、私は思います。
 
ただの「文章を書いて批評してもらう」講座ではありません。
ご自身の言葉の引き出しを少し増やしてみたいかた、
よろしかったらお仲間になりませんか?
次回は4月16日です。
____________
 
★本科クラスのご案内(各クラス定員8名ほど)
  
・小学生対象
水曜午後5:30~6:50
金曜午後5:30~6:50
 
・中学生対象
金曜午後7:00~8:30
 
・中・高校生対象
水曜午後7:00~8:30
 
受講料11,000円(月4回)
*無料の体験講座はありません。
入室をご検討のかたは、
単発で受講できる「単科」(月1回日曜開催)にご参加ください。
↓ 
★3月単科(小3以上大人まで)
3月29日(日)・30日(月)
作文講座/午後1時~2時半、読解・意見文講座/午後3時~4時半
受講料:1講座3,000円
 
★大人向け文章講座(毎月第3木曜夜開催)
4月16日午後7時~8時半
受講料:2,000円
対象:大学生・社会人の女性
 
****************
ことばの泉 作文研究室
(名鉄岐阜駅から徒歩4分)
HPからFBやラインに移動することができます。
LINE ID   @igr5860v  

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2020年本科生募集中です [お知らせ]

研究室内
ことばの泉 作文研究室では、本科生を随時募集しています。
 
ご入室いただくきっかけはさまざまです。
 
夏休みの感想文がまったく書けなかったから。
学校で書く作文にいつも苦労しているから。
「楽しかった」「またやりたいです」と、いつも同じパターンの文章になるから。
主語がなく、言い足りないことが多すぎて、何を書いているのかわからないことが多いから。
国語が苦手のようだから。
読み取りができていないようで、勘違いが多いから。
中学受験を考えているから。
このままではいけないと思ったから。
 
きっかけはさまざまです。
が、保護者の皆さんに共通するものがあります。
 
お子さんの感性にはちゃんとよいものがある。
私はそれを知っている。
しかし、その胸を打つ感性が、なぜか文章に反映されない。
そのことが、残念でならない。
 
というお気持ちです。
 
 
そしてもう一つ。
 
これから生きていくうえで、
「書くこと」「言葉で表現すること」は絶対に欠かせない。
しかし言葉の力を培うためには、長い時間が必要で、
だからこそ、今のうちから始めておきたい。
 
という信念です。
 
私の場を、このような信念で選んでいただいたことに
いつも感謝しています。
 
 
文章を書きなれない子どもの作文は
概ね結論を急ぎすぎています。
考えを深めるための素材が少なく
「だから(なので)」の結論には論拠もなく
「よいこと」「教訓めいたこと」を最後に置きます。
このまま、書く場や読まれる場がなければ
この書き方を大人になっても続けていくことになります。
つまりは、思考の展開のないまま
大人になってしまうということです。
 
せっかく選んで来ていただくのですから、
うまくまとめて書く力よりも
深く分厚く思考を展開していく力を刺激したい、と私は思っています。
 
 
さらさらと長く書くことが目的なら
そんなものは、いくらでも簡単に指導できます。
でも「さらさらと身のないものを書き続ける」のが
彼らの将来にどんな良さを生むでしょう?
 
保護者のかたの願いは、
「さらさらと」程度ではないはずです。
言葉を通じて社会や他者と向き合い
思いを通わせ
何事かをなしていく力を培うことのはずです。
 
 
この力、
順調に右肩上がりに伸びていくものではないので
気長に見ていただくほかありませんが、
もし、「ただ書ければいい」とする指導ではないものをお求めなら、
本科の一員となりませんか?
週に1回、年齢もテストの点も関係なく、
人として思いを語り、言葉に残す時間を持っていきます。
 
他ではやらないことをします。
お問い合わせ、お待ちしております。
____________
 
★本科クラスのご案内
(各クラス定員8名ほど)
  
・小学生対象
水曜午後5:30~6:50
木曜午後5:00~6:20
金曜午後5:30~6:50
 
・中学生対象
金曜午後7:00~8:20
 
・中・高校生対象
水曜午後7:00~8:20
 
受講料11,000円(月4回)
*無料の体験講座はありません。
入室をご検討のかたは、
単発で受講できる「単科」(月1回日曜開催)にご参加ください。
↓ 
★3月単科(小3以上大人まで)
3月1日(日)・29日(日)・30日(月)
作文講座/午後1時~2時半、読解・意見文講座/午後3時~4時半
受講料:1講座3,000円
 
 
****************
ことばの泉 作文研究室
(名鉄岐阜駅から徒歩4分)
HPからFBやラインに移動することができます。
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大人向け文章講座、定期開催始めます! [大人向け講座]

昨年から始めた大人向け文章講座、
今年は定期的に開催することになりました!
 
お電話でお問い合わせいただいたかたから
「今すぐにでも始めてみたいので」
というお言葉をいただき、
それならば! と、平日夜に急遽クラスを設けました。
 
用意したのは描写課題。
「寒い」とは書かずに、寒さを描く課題です。
  
 
相手にきちんと伝わるように書く・話すには、
ことばの豊かさの前に
相手の読解が必要です。
 
相手の物事の理解の仕方や
その人がよく用いる、話の展開法などを知っていれば、
「伝わりやすい言い方」を選べます。
もし本当に「相手に伝える力をつけたい」と思うのなら、
自分の言いたいように言う練習を積むのではなく
自分の伝えたいことを
相手の理解が進みやすい形に整えて話す力をつければいいと私は考えます。
 
相手を的確にとらえることと
相手に合わせて表現を選べるよう「表現の引き出し」を増やすこと、
この2点が「大人の言語表現力」の向上には欠かせないと思います。
 
 
描写課題は
「これさえ知っておけば大丈夫」
というものではありません。
描写課題は「表現の引き出し」を増やすための課題です。
感覚に敏感になったり
何を入れると「豊か」になるのかを知ったり
自分の表現の癖に気づいたり
展開や文のテンポがもたらす効果を味わったり
そうするうちに、「ただ伝える」のではなく
伝えかたを選んで話す/書くようになれます。
 
 
講座終了後、
「ああー、楽しかった!」
「いつもと違う脳の使い方をした!」
というような声をいただきました。(ありがたい!)
そしてその場で次回の日程が決まりました。
 
 
次回の平日クラスは、
3月19日(木)午後7時~8時半です。
受講料は2,000円。
対象は大学生・社会人の女性です。
今後、毎月第3木曜日の同じ時間に開催していきます。
(変更する月もあります)
関心をお持ちのかた、ぜひお問い合わせください。
3月は土曜の日中にもクラスを設けています。
3月7日(土)午後2時~3時半です。
こちらもただいま受付中です!
 
2001年2月1日に「ことばの泉 作文教室」として始めた私の場は
とうとう「20年目」の年に突入しました。
来年の2月1日、「まるっと20年!」を
晴れやかな気持ちで迎えられるよう、
今年は、後回しにする取り組みがないよう、
丁寧に、ほんとうに丁寧に、進んでいきたいと思っています。
 
子ども向けのクラスにも
楽しい展開を設けたいと思っています。 
20年目もどうぞよろしくお願い致します!!
____________
 
★今後の単発講座
 
・第2回作文指導勉強会
2020年2月23日(日)午後1時半~3時半
会費:1,000円
 
・3月単科(小3以上大人まで)
3月1日(日)・29日(日)・30日(月)
作文講座/午後1時~2時半、読解・意見文講座/午後3時~4時半
受講料:1講座3,000円
 
・大人向け文章講座
3月7日(土)午後2時~3時半
3月19日(木)午後7時~8時半
受講料:2,000円
 
****************
ことばの泉 作文研究室
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第2回作文指導勉強会のお知らせ [作文指導勉強会]

作文指導勉強会.jpg
日曜日の岐阜単科に、
たくさんのお申し込みをいただきありがとうございました!
席がご用意できずお断りしてしまったかた、
誠に申し訳ありません!
来月の講座でお会いできるのを楽しみにしています。
 
次回は2月2日です! 
まだお席はあるので、よろしければご検討ください。
お申込みお待ちしております。
 
さて、2月には昨年から始めた
「作文指導勉強会」をまた開きます。
今回は、最初に私から
 
・「書く」に必要なこと
・それに応じた課題紹介
・言葉かけ、コメントつけの工夫
 
などについて話をします。
その後、参加者の皆さんとフリートークの時間を持ちます。
一方的に情報を「伝える」だけの会ではありません。
それぞれがお持ちの経験を生かして
(経験がまだないかたは、お持ちの疑問や不安、関心ごとについて)
自由に話してもらい、
お互いに「よし、明日からまたやろう!」と思って帰れる会にしたいと思います。
詳しくはFBのイベントページをご覧ください。
お申し込みも、FBから!
過去の記事に、勉強会について書いたものもあります。
 
 
「書く」には、書き手の視点を増やすことが欠かせません。
そして、そのためには受け手の「受け」かたが
カギの一つとなります。
今年はその「受け」かたを、伝えていければと思います。
第2回作文指導勉強会
2020年2月23日(日)午後1時半~3時半
会費:1,000円
対象:文章指導をしている、あるいは関心のある以下のかた
・公教育・学童保育に携わっているかた
・個人で学習教室を開いているかた
・今後指導者となるべく勉強をしている学生
会場:ことばの泉 作文研究室
 岐阜市清住町3-2石榑ビル2F東
 
 
書くことを通じて人を育てたいとお考えの同志の皆さん!
お会いできるのを心からお待ちしております。
 
****************
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(名鉄岐阜駅から徒歩4分)
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2020年の小さな決意 [つれづれ]

2020年の本科は、ほとんどのクラスで「描写」課題から始めました。
「言語表現」の土台はやはり「観察力」にあると、昨年しみじみ感じたからです。
 
言語表現には、3つの土台があります。
 
ものごとをよく見る力(解釈を加えずにとらえる)
見たことを比較・分析し、体系づけたり定義づけたりする力(思考する)
見いだしたことを言葉に置き換える力(表現する)
 
この3つの中で、幼児~小・中学生の間に、しっかりと養っておくとよいのが
ものごとをよく見る力、「観察力」です。
幼児~小学生は、大枠をとらえるより
細部をしっかりと見ることのほうが得意です。
それぞれの年齢において、伸ばしやすい土台があります。
伸ばしやすい時期にきっちりと育まれた土台は、
そののちの表現力を、ゆるがずに支えていきます。
 
よって今年は、基本に忠実に、
「今」と「この先の彼ら」にとって、
欠かせない力を育てていけるよう
丁寧な働きかけを心がけたいと考えています。
 
 
ところで昨年は、
これまで以上によい出会いを得た一年でした。
以前からのご縁が、新しいご縁を多く運んでくれました。
その1つに、
岐阜大学医学教育開発研究センターの先生方とのご縁があります。
昨年、ひょんなことから私は、
岐阜大学医学部の「地域体験実習」にかかわることになりました。
1年次の学生の実習レポートにフィードバックする、という
なかなかおもしろい機会です。
 
ことばの指導というものは、
その時々のことばだけを見ていてはならず、
その人の「その先」を視野に入れてすべきものだと
私は考えています。
しかし、私が主にかかわれるのは高校生までで、
そのあとになると大学4年の就職活動時と
社会人の大学院小論文入試やら就活論文やらがある程度です。
 
大学や社会において、必要となる言語能力については
これまでも考慮に入れて指導にあたってきましたが、
実際に大学生の文章を読めれば、
私が考える「生徒のこの先」をより具体的にできます。
加えて、文章の受け手の「大学の先生」を身近で知ることもできます。
自分の視野を広げられる、本当にありがたい機会を得ることができました。
 
詳しいことはまた別の日に書くつもりですが、
岐阜大学医学教育開発研究センター(MEDC)の先生方は
学生思いの、熱い気持ちをお持ちの先生方でした。
やさしさも厳しさもあって、
なにより学生たちのことを話すのがお好きで、
いつでも「改善点はないか」を考えていらっしゃる方々でした。
一時的であるにせよ、
お仲間に入れていただけたことを感謝せずにはいられませんでした。
 
実習には来年度も、とおっしゃってもらえました。
1年次の実習以外のものも拝見させていただけそうです。
ああ、今年もすごく勉強できそう!
そして、自分のやっていることを
違った角度から再確認できそうに思います。
 
 
得たチャンスを大きく育てるのは自分、ですよね。
今年は昨年よりもう少し、努力を忘れない年にしたいと思っています。
 
あ、最後になりましたが、
今年最初の岐阜単科は、13時の作文、15時の読解ともに満席となりました。
お申込みいただいた皆様、誠にありがとうございます!
19日にお待ちしております!
 
*次回単科は2月2日です。お申込みお待ちしております!
 
 
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2020/1/19 岐阜単科の読解は満席となりました [お知らせ]

(大変遅ればせながら)
あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
 
 
まずはお知らせから。
1月単科は19日に行います。
15時の読解・意見文講座は定員に達しました。
たくさんのお申込み、誠にありがとうございます!
 
13時の作文講座には、若干の空きがあります。
今年を「言語表現を磨く年」にしたいかた!
ご参加をお待ちしております。
 
お申し込みは、HPの問い合わせフォーム、
ラインのトーク、
FBのメッセージ等で承ります。
 
今年は「発信」を怠らない年にしたいと思います。
ネット上でも、リアルの場でも! 発信の機会を増やしたいと思います。
決意だけにしないよう、心がけます。
2020年も、ことばの泉 作文研究室をどうぞよろしくお願いいたします!  
   
*******************
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WS「出さない手紙を書く」、終わりました [大人向け講座]

昨日、pandさんでのワークショップが終わりました。
  
「出さない手紙を書く」・・・でした。
  
終わったから言えますけどね、
「出さない」手紙ですよ・・!?
出さないものをなぜわざわざ書く?
人に「見せない」のだから、
講師である私にも見せないことになる?のに、
WS代金は支払う?
いやはや、こういうものに
人は集まるのか・・・?と思いました。
(自分で作ったくせに!)
それでやはり参加者少なめでした! 笑
 
 
でも、ワークショップのタイトルをご覧になっただけで
「これはやってみたいかも!」と
お思いになられたかた、わりと多くいらしたそうです。
私のところにも、そんなお声が届きました。
この日は参加できないけれど、すごく興味あります!
という内容のお声です。
 
 
私自身も、ワークショップの名を思いついた瞬間に
「これは、やろう!」
と思いました。
人が来るかどうかは関係ない、
「人に見せない」と決めて書く文章は
素の自分を思い出せる時間、
もしくは、本来こうありたいと思う自分に戻る時間に
なるのではないか、と思ったのです。
 
私も、「人に見せる」ことを前提とした文章ばかりを書いています。
それで窒息しないのは、
講座の中で、子どもたち相手に
本当に自分が思うことを(信念も迷いも、きれいごとではないものを)
語っているからかもしれません。
でも、多くの人はそんな時間を持てません。
ですから今回、
立場にも何にも影響されない言葉を出せる「場」を用意してみたい、
そうしたらどうなるだろう、と思ったのです。
 
 
ワークショップでは、最初に私が話をしました。
ご自身と向き合う心の準備ができるよう、
文章の方向性を見つけられるよう、
いくつかの例を挙げながら、
でも「それ以外でもいいんだよ」ということを
何度も伝えながら、進めました。
 
皆さんが、紙に向かって、
自分に没入できるようになったら、
私は黙って、少し離れたところに行きました。
目線もできるだけ皆さんに向けないようにして
書き終わるのを待ちました。
しずかな、ほんとうにしずかな、時間でした。
 
 
「人に見せない」ものだから、
私にも見せなくていいですよ、
でも、書き終えてみて、誰かに見せたくなったら見せてください、と
初めにお伝えしてありました。
 
それで、読ませてくれたかたもいました。
 
普段の大人講座では見られないような作品でした。
「見せない」と決めた言葉には、
出だしからこんなに、思いが詰まるものかと驚きました。
最初の一文から「泣けちゃうよ、まずいなあ」と思うくらい・・・。
もちろん、泣かせることは書いてありませんでしたよ。
ただ、情景がそこにあっただけです。
その情景があまりにも、雄弁でした。
(中身は言えないのです、すみません)
 
 
書き終えた後の皆さんのお顔も
なんだかぴかぴかしていました。
ああすっきりした~とか
完全にあの頃にもどっていた、とか
昔、書くのが大好きで、とにかく書いていた自分を思い出した、とか
ワークショップをして「感じてもらえたらうれしいこと」を
全部言ってもらえたばかりか、それ以上の反応をいただけて、
私は一瞬血迷って、
「これを私のライフワークにしてみたらどう!?」と
思ったくらいです。
 
ご参加いただいた方には、心から感謝しています。
この風変わりな試みに、ご一緒していただきありがとうございました。
 
いつかまた、このWSをやるかも?しれません。
整えなくてよい自分を思い出したいひと、
留まっている思いに言葉を与えてみたいひと、
ぼんやりした思いを形にして、ちゃんと見つめてみたいひと、
ぜひ、次のときにお会いしましょう。
 
どなたかとまた、ご縁がありますように。
 
  
*******************
  
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pandさんでのワークショップ 2019/12/18 [お知らせ]

ワークショップのお知らせです。
昨年もお声をかけていただいたpandさんで、
またワークショップをさせていたくことになりました。
 
研究室での講座のラインナップは、既に固まっています。
でも、場を変えると、特にpandさんのような、
アンティーク家具とこだわりの品々が並ぶような場所で
ワークショップをやるとなると、
普段私がやっていることや発する言葉などが
場に似合わないように思えてきます。
そして、「いつもとは違う私」の部分が、むむむと動き出します。
 
  
今回のワークショップ、どんなことをしましょうねぇと話しあっていた時
「風通しをよくするようなこと、したいんですよね」
というpandさんの言葉が耳に残りました。
風通しか、と思ったときに、じゃあこれ、と思いついたのが
今回のワークショップです。
 
「出さない手紙を書く」
 
誰かに言いたくて、でも面と向かっては言えなくて
あるいは、会っているときは言おうとは思わないのだけど
別れて自宅に戻ると、なんとなく「伝え損ねた言葉」が浮き上がってくる、
そんなことはありませんか?
 
そういう「伝え損ねている思い」を手紙にしたら
心にスペースが生まれないかな、と思いました。
言葉にするということは、思いに言葉を与えるということです。
思いを文字(形)にできたら、自分の中にあったものを外に出して
身から少し離して見られるようになります。
 
 
もうすぐ今年も終わり。
スタックしている思いには、形を与えて外に出てもらいましょう。
そして、すっきりした思いで、新しい年を迎えましょう。
 
 
この手紙は「相手に渡さない」手紙です。
思いは文字にするだけで意外に「区切り」がつけられます。
出さない、と決めて書くから思い切って表現できますしね。
ちょっと気取って、相手と一緒にいたときの、忘れられない風景を生き生きと描いたり
詩のようなつぶやきに変えてみたりしてみたらいいんじゃないかなと思います。
今回は、悔しさや憎らしさをつらつらと連ねていくようなものは
避けてもらおうと思っています。
それならワークショップに来なくても、一人でできますからね。
せっかくなので、思いにフォーカスするなら
後味はすっきりとしてもらいたいと思っています。
 
  
うまく書けなくてもいいのです。
そもそも「出さない」ものだから、
多少変でもいいのです。
「出さない手紙」というワークショップの題に、
ぴん!ときたかた、どうぞおいでください。
 
pandさんのインスタに、案内があります。
チラシの表面もぜひご覧ください。
 
 
*******************
 
12月18日水曜日 10:00-12:00
 
WORKSHOP「出さない手紙を書く」
 
参加費 2000円 お茶付 定員6名
講師 : ことばの泉 作文研究室 宇野哲代
www.kotoba-izumi.com
 
会場/予約先
pand 岐阜市吉野町3-17
058-263-3720
info@pand-web.com
 
*******************
 
 
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名古屋単科、12月1日です [お知らせ]

今年はちっともブログを更新しない年になってしまいました。
毎週反省して、今週は書くぞ!と思うのですが
気づくとひと月経っている・・・
そんなことの繰り返しでした。
 
では、書きたいことがなかったかというと
そうでもないのです。
本当は書いておきたいことがたくさん!
今年が終わってしまう前に、
ちゃんと言葉にしておこうと思います。
 
 
でもまず、これを伝えねば!
次の日曜、12月1日は 名古屋講座の最終日です!!!
 
名古屋での単科はしばらくお休みになります。
再開の日はまだ決まっていません。
講座に年齢制限はありません。
高校生だろうが大学生だろうが、ご参加可能です。
 
「書く・表現する」のは
だれにとっても、少し難しくて案外楽しい、ものです。
講座では、
うまく正しく書くことより
深く考えること
自分の心にあう言葉を選ぶこと
を大切にしています。
 
今年の終わりに、「書く楽しさ」を味わう時間を持ちませんか?
ご参加、心よりお待ちしております。
 
★名古屋単科
12月1日(日)
13時~14時半 作文講座
15時~16時半 読解・意見文講座
受講料/1講座3,000円(2講座連続受講も可能です)
会場/名古屋市熱田区森後町7-14 沼田ビル2F(地下鉄名城線神宮西駅1番出口より徒歩2分)
お申込み・お問い合わせは、ラインもしくはFBにて。
HPにも問合せページを用意しています。
 
ことばの泉 作文研究室
HPからFBやラインに移動することができます。
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名古屋単科講座 12月でいったんお休みします [お知らせ]

いつもブログをお読みいただき、
また、研究室の講座に関心をお寄せいただき
誠にありがとうございます。
 
名古屋の単科講座について、ご案内があります。
名古屋の単科は、今年12月の講座を最後に
しばらく休止することにしました。
いつもご参加いただいているかた、
誠に申し訳ありません。
再開する時期は、今のところ決めておりません。
いずれ無理なく始められる時が来たら、
また再開しようと考えています。
 
実は、単科を開かせていただいているレンタルスペースですが、
時間貸しはやめて、別の活用をされることになりました。
この場所には、本当に長くお世話になりました。
10年以上にはなると思います。
いつからかを思い出せないくらい長い間、場所をお借りしてきました。
年度ごとに予約をさせていただけたり、
ときどきおいしいお菓子を差し入れてくださったり、
なにより、岐阜の本研究室を設計・施工してくれたかたを
紹介くださったのも、このビルのオーナーでした。
  
2階のスペースを他のことに使用されることについては
これまでそうされなかったのが不思議なくらいなので
「あぁ、とうとうその時がきたのだな」
という思いでいます。
教室から眺める熱田神宮の緑が
私はとても好きで、
皆がペンを走らせる音を聞きながら、
通りを挟んで向こう側に立つ背の高い木々の
波打つような枝葉の揺らぎを
私は飽きずによく眺めていました。
  
あの眺めを見られなくなるのは残念です。
そしてもちろん、名古屋でお会いする人とも
いったんお別れになるのも…。
 
  
どこか別の場所を探そうと思いましたが
無理にどこかに入り込んでも
負担ばかりが大きくなって、
心地よい場をつくれるかどうかがわかりません。
それならしばらく休んで、ご縁をたどりつつゆっくり探して、
時期が来たらまた、講座を再開しようと思います。
 
 
「いつか参加を」と思っていらっしゃるかた、
「いつか」は11月と12月だけになってしまいました。
ともに席に空きはあります。
ぜひおいでください。お待ちしております。
 
開催日は11月3日と12月1日。
午後1時~2時半/作文講座
午後3時~4時半/読解・意見文講座
受講料は1講座3000円です。
お申し込みは、ラインやFBのメッセージでもできます。
 
名古屋にお住まいで
今後も単科に参加されたいかた、
岐阜の本研究室の単科は
これまで通り続けていきますので
ぜひこちらにお越しください。
JR岐阜駅からも名鉄岐阜駅からも徒歩で来れます。
居心地のよさにも自信があります。
名古屋と岐阜は電車に乗ってしまえば本当に近いので
ぜひぜひ、本研究室のよさ、体験しにおいでください。
心よりお待ちしております。
*岐阜の単科は、11/17、12/8です。
 
 
ことばの泉 作文研究室
HPからFBやラインに移動することができます。
LINE ID   @igr5860v  


岐阜本研究室1.jpg

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